グルーヴ九大原則 とは
オフビートカウント理論で説明される理論の背後には9つのグルーヴ原則が存在します。ここではこの原則を
基本となる考え方
Pセンターとは
まず最初にリズム分析を行う為の最も重要な概念 Pセンター を御紹介致します。 Pセンターとは Perceptual Center(認知中央点)の略です。 人は「ドラムの音がなる」というような瞬間的な出来事が起きたとき、その音のどこかの点に「その出来事の中央点」を感じています。 ドラムの1音がなったとき、その音は一瞬で終わる様に感じますが、実際には一定の長さを持っています。この持続する長さのどこかに人は中央点を感じているのです。
ドラムの音はしばしば装飾音を伴って演奏されます。するとそれはよりはっきりとした一定の長さを持つことになります。このような時でも、人はその一定時間のどこかの地点に『その音という事象の中心となる点』を感じています。これがPセンターです。
この『音のどの地点に中央を感じるか』の習性は人によって大きな違いが存在します。それは個人差だけでなく、その人が話す言語やその人が属している文化圏によって大きく異なります。
このPセンターの置く場所により、認知上の時間のありかたが大きな影響を受けます。このPセンターの置かれた位置が、楽器を演奏したときのリズムの偏りやダンスを行った時の動きの偏りとして、はっきりと他者から観察されます。
中国・日本・韓国ではPセンターよりも後ろに情報があると考える傾向が強いことが知られています。つまり一連の音符(出来事)があったとき、その先頭にPセンターがあると感じる傾向があります。このことをポストセントリック・リズム認知バイアスと呼びます。
それ以外の地域…東南アジア・アフリカ・ヨーロッパ・中東では、Pセンターよりも前に情報があると考える傾向が強いことが知られています。つまり一連の音符(出来事)があったとき、その最後尾にPセンターがあると感じる傾向があります。 このことをプレセントリック・リズム認知バイアスと呼びます。
また、世界的に見るととても稀なことですが、そもそもPセンターを基準に考えない繰り返すリズムを基準にしないリズム認知を持つ人達もいます。このことをノーセントリック・リズム認知バイアスと呼びます。
これらプレセントリック・ポストセントリック・ノーセントリックのリズム認知の違いをリズム認知バイアスと呼びます。
Pセンターは、何故人によってリズム感の違いが生まれるのかを分析し、そしてどのようにしたらこのリズム認識を切り替えることが出来るのかを考察するための大切なツールとなります。
リズム認知バイアス
リズム認識がポストセントリックになるか、プレセントリックになるかには、地域・文化・民族によってはっきりした傾向が見られます。
プレセントリックの特徴
Pセンターよりも前に情報の中心があると感じる傾向をプレセントリックと呼びます。 つまり基準となる出来事(メトロノーム音やドラム音などの基準となる定期的な音)に対して、先駆ける様に音楽を演奏します。 それを聞く人も基準となる出来事の前に情報があることを期待します。
プレセントリック・リズム認識を持つ人は、基準点(小節頭)に先駆ける様な形で弱起を使ってメロディーを構築することを好む傾向があります。
地球上のほとんどの地域・文化は、プレセントリックのリズム認識傾向を持っています。英語圏・ロシア語圏・ドイツ語圏・イタリア語圏・フランス語圏・スペイン語圏・ポルトガル語圏・東南アジアのほとんど全ての言語圏、アフリカの殆どの国々の言語圏では、ほとんどの場合でポストセントリックリズム認識が見られます。
一般的に音楽上のリズム上で起こる『グルーヴ』という現象は、このプレセントリック・リズム認識と深い関わり合いのある現象です。彼らが音楽を演奏すると、多かれ少なかれ特別な訓練を行わずともグルーヴを演奏することが可能になる場合が多いことが知られています。
ポストセントリックの特徴
Pセンターよりも後ろに情報の中心があると感じる傾向をポストセントリックと呼びます。 基準となる出来事 ───メトロノーム音やドラム音などの基準となる定期的な音 ───がはっきりと聞こえてから、後を追従するように音楽を演奏する傾向があります。 それを聞く人も基準音が聞こえることをまず待って、基準音が聞こえた後に情報があることを期待します。
ポストセントリック・リズム認識を持つ人は、基準点(小節頭)に追従するように弱起を全く使わずにメロディーを構築することを好む傾向があります。
ポストセントリックリズム認識を持った文化圏は、全体で見るとごく限られています。中国語圏・クルド語語圏・そして日本語圏です。
ポストセントリックのリズム認識を持った文化圏の人は、全く何の訓練もない状態で自然にグルーヴの演奏が可能になるということはありません。後天的に何等かの教育を受けた後にグルーヴが演奏出来る様になる傾向があります。
ノーセントリックの特徴
そして最後にノーセントリックリズム認識があります。基準となる出来事を認識する習慣自体がないことをノーセントリック・リズム認識と呼びます。 ノーセントリック・リズム認識を持つ人は、定期的な基準音 ─── メトロノーム音やドラム音 ───などが全くない状態で演奏することを好みます。
ノーセントリック・リズム認識を持つ人は世界的に見て極めて珍しく日本でしか見られません。また日本でもごく一部の地域に限られます。
「追分様式」のリズムは、雅楽の声楽曲、仏教音楽の声明、能、尺八本曲などにもあり、日本音楽の<極めて重要なリズムの様式>になっている。
これはモーラ拍リズムと深い関連があることが知られています。しかしその因果関係ははっきりと解明された訳ではありません。 モーラ拍リズムを持つ言語は、アフリカのバントゥ語などいくつか知られています。しかし純粋なモーラ拍リズムの言語は日本語しか存在しないとも言われています。
強拍が先か弱拍が先か とは
詳細に関しましては
音韻学的音楽分析 とは
音韻学的音楽分析 とは『音楽のリズムは、その人が母国語とする言語のリズムの影響を受ける』という仮説を元にして、音楽のリズムを言語の
何故音楽のリズムと言語のリズムは関係するのかを考察し、具体的に言語リズムの原則と、音楽リズムの原則を比較することでその背後にあるより大きな原則を探ります。
詳細に関しましては音韻学的音楽分析で詳細を見ていきます。
グルーヴ方程式
グルーヴ方程式は、パターンの長さ、ディヴィジョンの持続時間、及びPセンターの変位を用いて、グルーヴの多階層的なリズム構造を定量化するモデルを定義し、このモデルを方程式として表す。その定義は次のとおりである。
グルーヴ解像度ベクトル
一つのリズム解像度におけるグルーヴは、次の状態ベクトルによって定量的に記述される:
\[ \boxed{ \mathbf{x} = (L,D,P)^T = \begin{pmatrix} L\\ D\\ P \end{pmatrix}, } \]
ここで:
- \(L\in\mathbb{R}_{>0}\) は全体の持続時間である。
- \(D\in\mathbb{R}_{>0}\) は1つのディヴィジョンの持続時間である。
- \(P\in\mathbb{R}\) はPセンターのオフセットである。
相対的なディヴィジョンの大きさとディヴィジョン数は、次の派生量である:
\[ r(\mathbf{x}) = \frac{D}{L}, \qquad N(\mathbf{x}) = \frac{L}{D} = \frac{1}{r(\mathbf{x})}. \]
\(r\) と \(N\) のいずれも、定量的な持続時間 \(D\) を置き換えるものではない。
したがって、ベクトル \(\mathbf{x}\) は解像度ごとのグルーヴ状態である。それはグルーヴ原則を表すものではなく、それ自体がグルーヴの完全な定量表現でもない。
グルーヴ階層行列
各グルーヴ原則は、多階層グルーヴの一つの階層を大まかに特徴づける。そのような階層は、三つのパラメータを持つ階層行列によって定量的に表現される:
\[ \lambda\in\mathbb{N}_{\geq 1}, \qquad \delta\in\mathbb{Q}\cap(0,1], \qquad c\in\mathbb{N}_{\geq 0}. \]
階層パラメータの三つ組 \((\lambda,\delta,c)\) において、\(\lambda\) は現在のグルーヴ状態の全体の持続時間と、既存の Pセンター オフセットを拡大・縮小する。正の整数である \(\lambda\) は、反復回数として解釈できる。パラメータ \(\delta\) は一つの ディヴィジョン の持続時間を拡大・縮小する。たとえば、\(\delta=\frac12\) は ディヴィジョン の持続時間を半分にする。パラメータ \(c\) は、オンセットが Pセンター より先行する距離を、更新後の ディヴィジョン の非負整数個分として指定する。この測定には \(D'=\delta D\) を用いる。
階層行列は次のとおりである:
\[ \boxed{ A_{\lambda,\delta,c} = \begin{pmatrix} \lambda & 0 & 0\\ 0 & \delta & 0\\ 0 & c\delta & \lambda \end{pmatrix}. } \]
階層行列を、一つのリズム解像度におけるグルーヴ状態に適用すると、次の解像度における状態が生成される:
\[ \boxed{ \mathbf{x}' = A_{\lambda,\delta,c}\mathbf{x} = \begin{pmatrix} \lambda L\\ \delta D\\ \lambda P+c\delta D \end{pmatrix}. } \]
したがって:
\[ L'=\lambda L, \qquad D'=\delta D, \qquad P'=\lambda P+cD'. \]
各パラメータは階層の一側面を規定する:
- \(\lambda\) は全体の持続時間と、既存のPセンターオフセットを拡大・縮小する。
- \(\delta\) はディヴィジョンの持続時間を拡大・縮小する。
- \(c\) は、更新後のディヴィジョンを単位として、新たなPセンター変位を測る。
中心性は、階層パラメータの三つ組全体から導出される分類である:
\[ \chi(\lambda,\delta,c) = \begin{cases} \mathrm{nocentric}, &(\lambda,\delta,c)=(1,1,0),\\[4pt] \mathrm{postcentric}, &c=0\text{ and }(\lambda,\delta)\ne(1,1),\\[4pt] \mathrm{precentric}, & c>0. \end{cases} \]
正規化された基準状態は次のとおりである:
\[ \boxed{ \mathbf{x}_0 = (1,1,0)^T. } \]
\[ A_{1,1,0}\mathbf{x}_0 = \mathbf{x}_0. \]
\[ A_{2,1,0}\mathbf{x}_0 = (2,1,0)^T, \qquad A_{1,\frac12,0}\mathbf{x}_0 = \left(1,\frac12,0\right)^T, \]
\[ A_{2,1,1}\mathbf{x}_0 = (2,1,1)^T, \qquad A_{1,\frac12,1}\mathbf{x}_0 = \left(1,\frac12,\frac12\right)^T. \]
階層と解像度の系列
多階層グルーヴは、次の添字が付いた順序付きの階層を含む:
\[ i=1,\ldots,k. \]
対応する解像度状態には \(i=0,1,\ldots,k\) の添字が付き、\(\mathbf{x}_0\) は基準状態である。各階層 \(i\geq1\) について、次のようにおく:
\[ A_i = A_{\lambda_i,\delta_i,c_i}. \]
階層 \(A_i\) を適用すると、次の解像度ごとの状態が生成される:
\[ \boxed{ \mathbf{x}_i = A_i\mathbf{x}_{i-1}. } \]
同じことを次のようにも表せる:
\[ \mathbf{x}_i = A_iA_{i-1}\cdots A_1\mathbf{x}_0. \]
最終状態 \(\mathbf{x}_k\) を含め、個々の解像度ごとの状態はいずれも完全なグルーヴではない。完全なグルーヴは、基準状態と、適用順に並べられたすべての階層を保持する。
定量化されたグルーヴ原則
グルーヴ方程式の形式的定義
正規化されたグルーヴ方程式――グルーヴの定量表現――は、次のとおりである:
\[ \boxed{ \mathfrak G = \left( \mathbf{x}_0; A_1,\ldots,A_k \right). } \]
ここで、\(\mathbf{x}_0\) は正規化された基準状態であり、各 \(A_i\) は多階層グルーヴの一つの階層である。その正規化された定量的実現は、基準状態と、各階層によって生成される解像度ごとの状態を含む:
\[ \boxed{ \operatorname{GE}(\mathfrak G) = \mathbf{X}_{\mathfrak G} = \begin{bmatrix} \mathbf{x}_0& A_1\mathbf{x}_0& \cdots& A_k\cdots A_1\mathbf{x}_0 \end{bmatrix}. } \]
したがって、\(\mathfrak G\) はグルーヴの構造的定義であり、\(\operatorname{GE}(\mathfrak G)\) はその完全な定量的実現である。
導出結果
行列合成と閉形式評価
二つの階層について、\(A_1\) を先に、\(A_2\) を後に適用すると次のようになる:
\[ A_2A_1 = A_{\lambda_2\lambda_1,\, \delta_2\delta_1,\, c_2+\frac{\lambda_2}{\delta_2}c_1}. \]
この合成演算子の実効第三パラメータは次のとおりである:
\[ c_{2\circ1}^{\mathrm{eff}} = c_2+\frac{\lambda_2}{\delta_2}c_1. \]
個々の階層では \(c_i\in\mathbb{N}_{\geq0}\) でなければならないが、実効パラメータ \(c_{2\circ1}^{\mathrm{eff}}\) は非負整数とは限らない。その場合でも、この積は妥当な合成演算子であるが、個別階層のパラメータ領域のもとで許容される単一階層ではない。
\(k\) 個の階層に対して、次のように定義する:
\[ \Lambda_k = \prod_{i=1}^{k}\lambda_i, \qquad \Delta_k = \prod_{i=1}^{k}\delta_i, \]
また:
\[ Q_k = \sum_{i=1}^{k} \left( c_i \prod_{j=1}^{i}\delta_j \prod_{j=i+1}^{k}\lambda_j \right). \]
このとき:
\[ \boxed{ A_k\cdots A_1 = \begin{pmatrix} \Lambda_k & 0 & 0\\ 0 & \Delta_k & 0\\ 0 & Q_k & \Lambda_k \end{pmatrix}. } \]
任意の初期状態 \(\mathbf{x}_0=(L_0,D_0,P_0)^T\) に対して:
\[ \boxed{ \mathbf{x}_k = \begin{pmatrix} \Lambda_kL_0\\ \Delta_kD_0\\ \Lambda_kP_0+Q_kD_0 \end{pmatrix}. } \]
導出されたリズム尺度
階層 \(k\) の適用後におけるディヴィジョンの相対的な大きさは次のとおりである:
\[ r_k = \frac{D_k}{L_k} = r_0 \prod_{i=1}^{k} \frac{\delta_i}{\lambda_i}. \]
ディヴィジョン数は次のとおりである:
\[ N_k = N_0 \prod_{i=1}^{k} \frac{\lambda_i}{\delta_i}. \]
各階層について、そのスカラー尺度係数を次のように定義する:
\[ \mathrm{base}_i^{n_i} = \frac{\delta_i}{\lambda_i}. \]
このとき:
\[ \boxed{ r_k = r_0 \prod_{i=1}^{k} \mathrm{base}_i^{n_i}. } \]
正規化された初期状態では \(r_0=1\) であるため、従来のスカラー形式は次のようになる:
\[ \boxed{ R = \prod_{i=1}^{k} \mathrm{base}_i^{n_i}. } \]
このスカラー積は、相対的なリズム尺度を記録する。Pセンターの変位は記録せず、その情報は行列による実現に保持される。
可換性
\(L,D\) 成分は、それぞれの尺度係数が乗算されるため可換である。完全な階層行列が可換となるための必要十分条件は次のとおりである:
\[ \boxed{ c_1\delta_1(\lambda_2-\delta_2) = c_2\delta_2(\lambda_1-\delta_1). } \]
一般に、階層行列は可換ではない。Pセンター成分が、既存のPセンターオフセットと現在のディヴィジョン持続時間の両方に依存するためである。
新たに加わるPセンター変位がゼロである任意の二つの階層行列は、次の条件のもとで可換である:
\[ c_1=c_2=0. \]
このクラスには、
階層の閉包と時間的実現
解像度ごとの状態 \(\mathbf{x}_i=(L_i,D_i,P_i)^T\) について、次を仮定する:
\[ N_i = \frac{L_i}{D_i} = \frac{p}{q} \]
ここで、\(\frac{p}{q}\) は既約分数である。そのディヴィジョンは、次の条件で全体の持続時間と再び整列する:
\[ \boxed{ qL_i=pD_i. } \]
したがって:
\[ N_i\in\mathbb{N} \quad\Rightarrow\quad \text{1つの全体持続時間内で閉じる}, \]
\[ N_i\in\mathbb{Q}_{>0} \quad\Rightarrow\quad \text{複数の持続時間をまたいで有限回で閉じる}, \]
\[ N_i\in \mathbb{R}_{>0}\setminus\mathbb{Q} \quad\Rightarrow\quad \text{厳密には閉じない}. \]
正規化された値 \(1\) は、抽象的な基準持続時間である。\(\tau>0\) に対する具体的な時間的実現は次のとおりである:
\[ \boxed{ \operatorname{GE}_{\tau}(\mathfrak G) = \tau\mathbf{X}_{\mathfrak G}. } \]
正規化されたアンカーを四分音符の拍として解釈する場合、\(\tau\) はその拍の具体的な持続時間である。
例:「Near the Cross」
正規化された基準状態を使用する:
\[ \mathbf{x}_0 = (1,1,0)^T. \]
このグルーヴには、順序付けられた五つの階層行列がある:
\[ \left( A_{4,1,0},\, A_{8,1,0},\, A_{3,1,2},\, A_{1,\frac13,2},\, A_{1,\frac13,2} \right). \]
階層を順次適用すると次のようになる:
\[ \mathbf{x}_1 = (4,1,0)^T, \]
\[ \mathbf{x}_2 = (32,1,0)^T, \]
\[ \mathbf{x}_3 = (96,1,2)^T, \]
\[ \mathbf{x}_4 = \left(96,\frac13,\frac83\right)^T, \]
\[ \mathbf{x}_5 = \left(96,\frac19,\frac{26}{9}\right)^T. \]
したがって、完全な定量的実現は次のとおりである:
\[ \boxed{ \mathbf{X}_{\text{Near the Cross}} = \begin{pmatrix} 1 & 4 & 32 & 96 & 96 & 96\\ 1 & 1 & 1 & 1 & \frac13 & \frac19\\ 0 & 0 & 0 & 2 & \frac83 & \frac{26}{9} \end{pmatrix}. } \]
Groove Equation
グルーヴ方程式の英語での形式的な定義は次の通りです。
The Groove Equation defines a quantitative model of a groove’s multilayered rhythmic structure in terms of pattern length, Division duration, and P-center displacement, and expresses this model as an equation. Its definition is as follows.
Groove Resolution Vector
A groove at one rhythmic resolution is quantitatively described by thefollowing state vector:
\[ \boxed{ \mathbf{x} = (L,D,P)^T = \begin{pmatrix} L\\ D\\ P \end{pmatrix}, } \]
where:
- \(L\in\mathbb{R}_{>0}\) is the total duration.
- \(D\in\mathbb{R}_{>0}\) is the duration of one division.
- \(P\in\mathbb{R}\) is the P-center offset.
The relative division size and the number of divisions are derived quantities:
\[ r(\mathbf{x}) = \frac{D}{L}, \qquad N(\mathbf{x}) = \frac{L}{D} = \frac{1}{r(\mathbf{x})}. \]
Neither \(r\) nor \(N\) replaces the quantitative duration \(D\).
The vector \(\mathbf{x}\) is therefore a resolution-specific groove state. Itdoes not represent a Groove Principle and is not, by itself, the completequantitative representation of a groove.
Groove Layer Matrix
Each Groove Principle broadly characterizes a layer of a multilayered groove.Such a layer is quantitatively represented by a layer matrix with threeparameters:
\[ \lambda\in\mathbb{N}_{\geq 1}, \qquad \delta\in\mathbb{Q}\cap(0,1], \qquad c\in\mathbb{N}_{\geq 0}. \]
In the layer-parameter triple \((\lambda,\delta,c)\), \(\lambda\) scales the totalduration of the current groove state and its existing P-center offset. As apositive integer, \(\lambda\) can be interpreted as the number of repetitions.The parameter \(\delta\) scales the duration of one division; for example,\(\delta=\frac12\) halves the division duration. The parameter \(c\) specifies thenonnegative integer number of updated divisions by which the onset precedesthe P-center, measured using \(D'=\delta D\).
The layer matrix is:
\[ \boxed{ A_{\lambda,\delta,c} = \begin{pmatrix} \lambda & 0 & 0\\ 0 & \delta & 0\\ 0 & c\delta & \lambda \end{pmatrix}. } \]
Applying the layer matrix to the groove state at one rhythmic resolutionproduces the state at the next resolution:
\[ \boxed{ \mathbf{x}' = A_{\lambda,\delta,c}\mathbf{x} = \begin{pmatrix} \lambda L\\ \delta D\\ \lambda P+c\delta D \end{pmatrix}. } \]
Therefore:
\[ L'=\lambda L, \qquad D'=\delta D, \qquad P'=\lambda P+cD'. \]
Each parameter specifies an aspect of the layer:
- \(\lambda\) scales the total duration and the existing P-center offset.
- \(\delta\) scales the division duration.
- \(c\) measures the new P-center displacement in updated divisions.
Centricity is a classification derived from the complete layer-parametertriple:
\[ \chi(\lambda,\delta,c) = \begin{cases} \mathrm{nocentric}, &(\lambda,\delta,c)=(1,1,0),\\[4pt] \mathrm{postcentric}, &c=0\text{ and }(\lambda,\delta)\ne(1,1),\\[4pt] \mathrm{precentric}, & c>0. \end{cases} \]
The normalized reference state is:
\[ \boxed{ \mathbf{x}_0 = (1,1,0)^T. } \]
\[ A_{1,1,0}\mathbf{x}_0 = \mathbf{x}_0. \]
\[ A_{2,1,0}\mathbf{x}_0 = (2,1,0)^T, \qquad A_{1,\frac12,0}\mathbf{x}_0 = \left(1,\frac12,0\right)^T, \]
\[ A_{2,1,1}\mathbf{x}_0 = (2,1,1)^T, \qquad A_{1,\frac12,1}\mathbf{x}_0 = \left(1,\frac12,\frac12\right)^T. \]
Layer And Resolution Sequence
A multilayered groove contains ordered layers indexed by:
\[ i=1,\ldots,k. \]
The corresponding resolution states are indexed by \(i=0,1,\ldots,k\), where\(\mathbf{x}_0\) is the reference state. For each layer \(i\geq1\), let:
\[ A_i = A_{\lambda_i,\delta_i,c_i}. \]
Applying layer \(A_i\) produces the next resolution-specific state:
\[ \boxed{ \mathbf{x}_i = A_i\mathbf{x}_{i-1}. } \]
Equivalently:
\[ \mathbf{x}_i = A_iA_{i-1}\cdots A_1\mathbf{x}_0. \]
No individual resolution-specific state, including the final state\(\mathbf{x}_k\), is the complete groove. The complete groove retains thereference state and every layer in their applied order.
Quantitative Representation of a Groove Principle
Formal Definition of the Groove Equation
A normalized Groove Equation—the quantitative representation of a groove—is:
\[ \boxed{ \mathfrak G = \left( \mathbf{x}_0; A_1,\ldots,A_k \right). } \]
Here, \(\mathbf{x}_0\) is the normalized reference state, and each \(A_i\) is onelayer of the multilayered groove. Its normalized quantitative realizationcontains the reference state and the resolution-specific state produced byevery layer:
\[ \boxed{ \operatorname{GE}(\mathfrak G) = \mathbf{X}_{\mathfrak G} = \begin{bmatrix} \mathbf{x}_0& A_1\mathbf{x}_0& \cdots& A_k\cdots A_1\mathbf{x}_0 \end{bmatrix}. } \]
Thus, \(\mathfrak G\) is the groove’s structural definition, whereas\(\operatorname{GE}(\mathfrak G)\) is its complete quantitative realization.
Derived Results
Matrix Composition and Closed-Form Evaluation
For two layers, applying \(A_1\) first and \(A_2\) second gives:
\[ A_2A_1 = A_{\lambda_2\lambda_1,\, \delta_2\delta_1,\, c_2+\frac{\lambda_2}{\delta_2}c_1}. \]
The effective third parameter of this composite operator is:
\[ c_{2\circ1}^{\mathrm{eff}} = c_2+\frac{\lambda_2}{\delta_2}c_1. \]
Although each individual layer requires \(c_i\in\mathbb{N}_{\geq0}\), theeffective parameter \(c_{2\circ1}^{\mathrm{eff}}\) need not be a natural number.In that case, the product remains a valid composite operator but is not anadmissible single layer under the individual-layer parameter domain.
For \(k\) layers, define:
\[ \Lambda_k = \prod_{i=1}^{k}\lambda_i, \qquad \Delta_k = \prod_{i=1}^{k}\delta_i, \]
and:
\[ Q_k = \sum_{i=1}^{k} \left( c_i \prod_{j=1}^{i}\delta_j \prod_{j=i+1}^{k}\lambda_j \right). \]
Then:
\[ \boxed{ A_k\cdots A_1 = \begin{pmatrix} \Lambda_k & 0 & 0\\ 0 & \Delta_k & 0\\ 0 & Q_k & \Lambda_k \end{pmatrix}. } \]
For an arbitrary initial state \(\mathbf{x}_0=(L_0,D_0,P_0)^T\):
\[ \boxed{ \mathbf{x}_k = \begin{pmatrix} \Lambda_kL_0\\ \Delta_kD_0\\ \Lambda_kP_0+Q_kD_0 \end{pmatrix}. } \]
Derived Rhythmic Scale
The relative division size after layer \(k\) is:
\[ r_k = \frac{D_k}{L_k} = r_0 \prod_{i=1}^{k} \frac{\delta_i}{\lambda_i}. \]
The number of divisions is:
\[ N_k = N_0 \prod_{i=1}^{k} \frac{\lambda_i}{\delta_i}. \]
For each layer, define its scalar scale factor by:
\[ \mathrm{base}_i^{n_i} = \frac{\delta_i}{\lambda_i}. \]
Then:
\[ \boxed{ r_k = r_0 \prod_{i=1}^{k} \mathrm{base}_i^{n_i}. } \]
Under the normalized initial state, \(r_0=1\), so the earlier scalar form becomes:
\[ \boxed{ R = \prod_{i=1}^{k} \mathrm{base}_i^{n_i}. } \]
This scalar product records relative rhythmic scale. It does not recordP-center displacement; that information remains in the matrix realization.
Commutativity
The \(L,D\) components commute because their scale factors multiply. Thecomplete layer matrices commute exactly when:
\[ \boxed{ c_1\delta_1(\lambda_2-\delta_2) = c_2\delta_2(\lambda_1-\delta_1). } \]
The layer matrices do not commute in general because the P-center componentdepends on both the existing P-center offset and the current divisionduration.
Any two layer matrices with zero added P-center displacement commute when:
\[ c_1=c_2=0. \]
This class includes postcentric layers and the nocentric identity layer.
Layer Closure and Temporal Realization
For a resolution-specific state \(\mathbf{x}_i=(L_i,D_i,P_i)^T\), suppose:
\[ N_i = \frac{L_i}{D_i} = \frac{p}{q} \]
in lowest terms. Its division realigns with the total duration when:
\[ \boxed{ qL_i=pD_i. } \]
Therefore:
\[ N_i\in\mathbb{N} \quad\Rightarrow\quad \text{closure within one total duration}, \]
\[ N_i\in\mathbb{Q}_{>0} \quad\Rightarrow\quad \text{finite cross-duration closure}, \]
\[ N_i\in \mathbb{R}_{>0}\setminus\mathbb{Q} \quad\Rightarrow\quad \text{no exact closure}. \]
The normalized value \(1\) is an abstract reference duration. For \(\tau>0\), theconcrete temporal realization is:
\[ \boxed{ \operatorname{GE}_{\tau}(\mathfrak G) = \tau\mathbf{X}_{\mathfrak G}. } \]
If the normalized anchor is interpreted as a quarter-note beat, then \(\tau\) isthe concrete duration of that beat.
Example: “Near the Cross”
Use the normalized reference state:
\[ \mathbf{x}_0 = (1,1,0)^T. \]
The groove has five ordered layer matrices:
\[ \left( A_{4,1,0},\, A_{8,1,0},\, A_{3,1,2},\, A_{1,\frac13,2},\, A_{1,\frac13,2} \right). \]
Applying the layers successively gives:
\[ \mathbf{x}_1 = (4,1,0)^T, \]
\[ \mathbf{x}_2 = (32,1,0)^T, \]
\[ \mathbf{x}_3 = (96,1,2)^T, \]
\[ \mathbf{x}_4 = \left(96,\frac13,\frac83\right)^T, \]
\[ \mathbf{x}_5 = \left(96,\frac19,\frac{26}{9}\right)^T. \]
Therefore, the complete quantitative realization is:
\[ \boxed{ \mathbf{X}_{\text{Near the Cross}} = \begin{pmatrix} 1 & 4 & 32 & 96 & 96 & 96\\ 1 & 1 & 1 & 1 & \frac13 & \frac19\\ 0 & 0 & 0 & 2 & \frac83 & \frac{26}{9} \end{pmatrix}. } \]
グルーヴ九大原則一覧表
音楽がグルーヴする条件を
| 音韻学的音楽分析軸 | 音楽(リスモクロノロジー) | 音韻学(フォノロジー) | 注 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Pセンター軸 | プレセントリック | ノーセントリック | ポストセントリック | プレセントリック | ノーセントリック | ポストセントリック | ※0 | |
| 代表的な言語/文化圏 | 🌍️🌎️🌏️ | 🇯🇵 | 🇨🇳 🇮🇷 | 🌍️🌎️🌏️ | 🇯🇵 | 🇨🇳 🇮🇷 | ※1 | |
| 原則1 | リズム指数極性 | 分裂拍 (\(\delta\in\mathbb N_{>1}\)) | 孤立拍 (\(\lambda{=1}, \delta{=1}\)) | 増殖拍 (\(\lambda\in\mathbb N_{>1}\)) | 音節頭/音節核-分離 | 音節頭/音節核-融合 | 音節頭/音節核-分離 | |
| 原則2 | リズム底数 |
2−nリズム 3−nリズム |
base0 = 1リズム |
2+nリズム 3+nリズム |
CV/CVCリズム | CV無区別 | CV/CVCリズム | |
| 原則3 | リズム強弱拍区別 | 分割で弱拍を区別する | 弱拍を区別しない | 反復で弱拍を区別する | 子音を区別する | 子音を区別しない | 子音を区別する | ※2 |
| 原則4 | リズムハーモニー重視 | リズム重視 | ハーモニー重視 | リズム重視 | 子音重視(子音が長い) | 母音重視(母音が長い) | 子音重視(子音が長い) | ※3 |
| 原則5 | リズム先行拍 | 弱拍先行 | 拍無定義 | 強拍先行 | 頭子音最大化原則 | 頭子音原則なし | 頭子音最小化原則 | |
| 原則6 | リズム焦点 | 尻合わせ | 無合わせ | 頭合わせ | 文末焦点 | 無焦点 | 文頭焦点 | |
| 原則7 | リズム基軸 | 弱拍基軸(尻重心) | 無基軸 | 強拍基軸(頭重心) | ストレス〜シラブル等時性 | モーラ等時性 | シラブル〜ストレス等時性 | |
| 原則8 | リズム侵襲性 | 呑音がある | 呑音がない | 呑音がない | 末子音侵襲性 | 末子音なし | 末子音忌避性 | ※4 |
| 原則9 | リズムストレス度 | 可変長〜固定長拍 | 無拍 | 固定長〜可変長拍 | 可変長〜固定長シラブル | 無拍 | 固定長〜可変長シラブル | ※5 |
※0 Pセンターは九大原則全ての背後に存在するメタ要素。
※1 代表的な言語/文化圏 ─── Postcentricは主に中国語とクルド語など。Nocentric は記号的な意味で日本と考える。日本は完全にNocentricではなくPost/Preの間を揺れている。世界の大半の国はPrecentric。
※2 リズム強弱拍区別 ─── リズム指数極性に含まれているが区別があるないを明示的に説明する為に項目が設けられている。
※3 リズムハーモニー重視 ─── 重視は英語で weighted と表現される
※4 リズム侵襲性 ─── 呑音とはゴーストノートを指す
※5 リズムアクセント種別 ─── 1.無拍とは定期的に訪れる拍という概念自体がないことを表す。 2.固定長とはアクセントを高低・強度・音色ななど長短とは別な要素で表現することを指す。 3.可変長 とは長短によって成立するストレス型アクセントを指す。 4. ポストセントリック・プレセントリック共に、0に近付くほど固定長に近づき、0から遠ざかるほど可変長になる。
グルーヴ原則1 - リズム指数極性
リズム指数極性とは、グルーヴ方程式の各項に於いての指数の正負の区分のことをいいます。
マイナスの指数は分数を表します。
\[ R = 3^{-1} = 1/3 \]\[ R = 3^{-2} = 1/9 \]\[ R = 3^{-3} = 1/27 \]
ここではマイナスの指数は『拍の断ち割り』の細かさを表します。
プラスの指数は積数を表します。
\[ R = 3^{1} = 3 \]\[ R = 3^{2} = 3 \cdot 3 = 9 \]\[ R = 3^{3} = 3 \cdot 3 \cdot 3 = 27 \]
ここではプラスの指数は『拍の付け足し』の多さを表します。
またゼロの指数は底に関わらず1になることがわかります。
\[ R = 2^{0} = 1 \]\[ R = 3^{0} = 1 \]\[ R = 5^{0} = 1 \]\[ R = 7^{0} = 1 \]
ここで0の指数は『泊が単独で独立して特徴を失う』状態を表しています。
底はグルーヴの特徴を表しますが(後述)、指数が0に近付くに連れ結果は底に関わらず1に近付き、底の特徴を失うとここでは考えます。
ポストセントリックリズム認知偏りを持っている人は拍を付け足しとして認識する傾向があることが知られています。そしてプレセントリックリズム認識偏りを持つ人は、拍を断ち割りとして認識する傾向があることが知られています。
この拍に対する認識の傾向を指数のプラスとマイナスの大きさとして数値化したものがこのリズム指数極性です。 数値がマイナスならプレセントリック、そして数値がプラスならポストセントリックであると考えます。 そして数値がゼロに近付くに連れてノーセントリック に近付くと考えます。
このことを
で詳しく説明します。
音韻学上の対応
このリズム認識の違いは、音韻学上での音節頭(子音)と音節核(母音)の区別によって生まれると考えます。 リズム指数極性がゼロに近付くほど音節頭(子音)と音節核(母音)が不明瞭に、ゼロから離れれば離れるほど、音節頭(子音)と音節核(母音)の区別が明瞭になっていくと考えます。
グルーヴ原則2 - リズム底数
3⁻ⁿリズムとは
アフリカや東南アジア・南米にいる強いグルーヴを持つ音楽を演奏する演奏者は、しばしばスイングやシャッフルなどの3連符系のリズムを好んで演奏したりします。彼らはまた、8ビート16ビートなどのリズムを演奏する時でも3を基準にしたポリリズムを多用したりそのリズムの上で3拍子を演奏したりします。更にそのリズムを3小節単位でまとめて段を構成したり、あるいは4小節単位で演奏する時であっても、3段構成の曲を好んだりすることもあります。 彼らはしばしばリズムのずれニュアンスを分析すると実はそのずれの距離が必ず1/3 、1/9 、 1/27 などの 3の負のべき乗の大きさに収束していることが観測されたりします。
このように3に根ざしているリズムをここでは3⁻ⁿリズムと呼びます。 またこの様なリズム感覚の人が持っているリズム認知偏りのことを3⁻ⁿリズム認知バイアスと呼びます。───この 3⁻ⁿリズム はアフリカや南米・東南アジア・ケルト・ゲールの人々の民族音楽を起源としており、現代ポピュラー音楽の根幹を為しています。
2⁻ⁿリズムとは
ヨーロッパや中国などにいるグルーヴの強くない音楽の演奏者はしばしば、8分音符を跳ねずに均等に演奏することを好みます。彼らはしばしば2拍子・4拍子・8ビート・16ビートなどの2のリズムに根ざしたリズムを演奏することを好みます。 彼らはまた、3拍子や3を基準にしたポリリズムを多様せず、しばしば3拍子を演奏する時でも2で分割したポリリズムを演奏することで4拍子に変換して演奏したりすることを好みます。
彼らの演奏するリズムのずれニュアンスを分析するとしばしば1/4 、1/8 、 1/16 などの 2の負のべき乗の大きさに収束することが観測されたりします。 このようにリズム感覚が2に根ざしているリズムを 2⁻ⁿリズムと呼びます。 またこの様なリズム感覚の人が持っているリズム認知偏りのことを2⁻ⁿリズム認知バイアスと呼びます。
グルーヴ方程式との関係
先に挙げたグルーヴ方程式 を見てみます。
\[ R = \prod_{i=0}^{L}\mathrm{base}_i^{n_i} = (\mathrm{base}_0^{n_0})(\mathrm{base}_1^{n_1})\cdots(\mathrm{base}_L^{n_L}) \tag{1}\]
グルーヴ方程式の各項の指数部分がリズム指数極性を表すことを見ました。
このときの底がリズム底数を表します。
\[ R = 2^{-2} = 1/4 \]\[ R = 3^{-2} = 1/9 \]\[ R = 5^{-2} = 1/25 \]\[ R = 7^{-2} = 1/49 \]
ここでは底数がそのグルーヴの特徴を表します。
ここでは、リズム底数は理論上ポストセントリック・プレセントリックの影響を受けないと考えます。
一般的な傾向として、リズム底数が2の人はポストセントリックが多いという傾向があり、リズム底数が3の人はプレセントリックが多いという傾向がありますが、絶対のルールではありません。しばしば後天的に2のプレセントリック・リズムを獲得して演奏する人も多く存在します。 後天的に練習することで3のポストセントリック・リズムを獲得して演奏する人も多く存在します。 これも絶対のルールではありません。このことから、ここでは、リズム底数は、ポストセントリック・プレセントリックとの相関関係はないと考えます。
但しリズム指数極性が0になるノーセントリック時には、リズム底数の内容にに関わらず必ずリズム長が1になります。このことを示す為、表上はbase0 = 1リズムと表示されています。
3⁻ⁿリズム とはどんな音かにつきましては、世界は3⁻ⁿ拍子で出来ている でそれを実際に聴いてみます。
3⁻ⁿリズム と 2⁻ⁿリズム につきましては、3⁻ⁿグルーヴと2⁻ⁿグルーヴ で理論的な詳細を見ていきます
2⁻ⁿリズム とはどんな音かにつきましては、何故日本人は縦乗りなのか でいくつかのサンプルを用意しております。
音韻学上の対応
リズム指数極性が0に近付くほど子音母音の区別がなくなると考えます。リズム指数極性が0から遠ざかるにつれ、子音と母音の区別がはっきりしていくと考えます。
グルーヴ原則3 - リズム強弱拍区別
リズム強弱拍区別は、その人が弱拍をどの形式で認識しているかを表します。
- 増殖拍 (base+n)
- 孤立拍 (base0 = 1)
- 分裂拍 (base−n)
既にリズム指数極性にて既に説明した通り、ポストセントリック・プレセントリックの違いは拍に対する認識の違いとして表れます。このとき、ポストセントリックリズム認知バイアスの人が付け足し弱拍認識で演奏する弱拍を増殖拍と呼びます。 そして、プレセントリックリズム認知バイアスの人が断ち割り弱拍リズム認識 で演奏する弱拍を分裂拍 と呼びます。また弱拍を持たないノーセントリックリズム認知バイアスの人が演奏する拍を 孤立拍 と呼びます。
このことを
で詳しく説明します。
音韻学上の対応
このリズム認識の違いは、音韻学上での音節頭(子音)と音節核(母音)の区別によって生まれると考えます。 リズム指数極性がゼロに近付くほど音節頭(子音)と音節核(母音)が不明瞭に、ゼロから離れれば離れるほど、音節頭(子音)と音節核(母音)の区別が明瞭になっていくと考えます。
グルーヴ原則4 - リズムハーモニー重視
音楽を聴くときに人によって、リズムよりもハーモニーにより強い興味を持つ傾向がある人と、ハーモニーよりもリズムにより強い興味を持つ傾向がある人に分れます。 この傾向を リズムハーモニー重視 と呼びます。
日本語話者はしばしば、ハーモニー理論や作曲理論に強い興味を示して理論を駆使して音楽を作りますが、この時ハーモニー構造に大きな複雑性があるのに、リズム構造全く持たない曲を作る傾向がある場合があります。 また逆に、南米や南アフリカのDJシーンでは、全く何のハーモニー構造を持たないリズムだけが音楽の主題になっている音楽がたくさん流行しています。
この様に音楽の中でハーモニーを重視する傾向を持った人とリズムを重視する傾向を持った人との二派にわかれます。この傾向をリズムハーモニー重視 と呼びます。
音韻学上の対応
ここでは、子音よりも母音の方が重視されるモーラ拍リズム言語の独自の影響ではないかと考えます。リズム指数極性が0に近づき、リズム認知バイアスがノーセントリックに近付くに連れ、母音を重視する傾向が強くなり、リズム指数極性が0から遠ざかれば遠ざかるほど、子音を重視する傾向が強くなるとここでは考えます。
グルーヴ原則5 - リズム先行拍
音符が導音などの形となって2つの組となって表れた時、その組みが常に弱拍からはじまることを弱拍先行と呼びます。
音符が導音などの形となって2つの組となって表れた時、その組みが常に強拍からはじまることを強拍先行と呼びます。
或いは、音符が2つの組みとならず単独で表れた時も 強拍先行 と呼びます。
日本人は弱拍先行で構成されたのリズムを耳にすると、それが理解できず混乱するという特徴があります。このことを縦乗りと呼びます。 日本人が何故縦乗りになるのかに関しましては、何故日本人は縦乗りなのか で詳細を見ていきます。
強拍先行と弱拍先行 とは何かに関しましては、強拍が先か弱拍が先かで詳細を見ていきます。
強拍先行と弱拍先行は、グルーヴの本質に関わっています。立体的に響くグルーヴの本質はリズムの多次元性にあります。弱拍が先行するリズムでは異なる音価が高さという新しい軸としての役割を持つため多次元構造を持ちます。しかし強拍が先行するリズムでは、全てのリズムが重なり合ってしまうため異なる音価が新しい軸を生み出さず、結果としてリズムが多次元構造を持ちません。多次元構造をもたないリズムは平面的な印象のリズムになります。
このリズムの多次元性に関しましては、多層弱拍基軸律動で詳細を見ていきます。
そして何故 強拍先行と弱拍先行 が起こるのかに関しましては、多層弱拍基軸律動で詳細を見ていきます。
音韻学上の対応
頭子音最小化原則 と強拍先行
リズム指数極性が減少しリズム認知バイアスがマイナスの方向に大きくなるに連れ
ここではこの
頭子音最大化原則 と弱拍先行
これに対して
リズム指数極性が増加しリズム認知バイアスがプラス方向に大きくなるに連れ
頭子音が音節核に先行するため、本書では、弱拍が次の強拍を予告する弱拍先行に対応すると考えます。
グルーヴ原則6 - リズム焦点
メロディーの開始地点を必ず小節内の特定の泊(≒1拍目)(=Pセンター)に置き、後ろに続く様にメロディーか構成する、はっきりとした終わりがないリズム構成を頭合わせといいます。
メロディーが特にはっきりした特定位置を持たず不定期に始まり、必ず小節内の特定の拍数目(≒1拍目)(=Pセンター)ではっきりと終わるリズム構成を尻合わせといいます。
日本人は尻合わせ構成のリズムを耳にすると、それが理解できず混乱するという特徴があります。このことを縦乗りと呼びます。 日本人が何故縦乗りになるのかに関しましては、何故日本人は縦乗りなのか で詳細を見ていきます。
頭合わせと尻合わせ とは何か。そして何故 頭合わせと尻合わせが起こるのかに関しましては、多層弱拍基軸律動で詳細を見ていきます。
音韻学上の対応
ここでは、音楽上の「リズム焦点」を言語学上の文末焦点に関係があると考えます。
文頭焦点 と 文末焦点
文末焦点とは、文章の最後にその文章の要点を言う英語話者の習慣のことです。英語圏では、わかりやすい英文を作るとき、最も大切な情報を最後に置くことを基礎とするように習います。
一方で文頭焦点とはこのオフビートカウント理論の独自用語で、英語の文末焦点に対して、日本語話者がしばしば最も大切な情報を最初に置く習慣のことです。
グルーヴ原則7 - リズム基軸
スイングやシャッフルを演奏しようとした時に、強拍の位置が常に固定となり、毎回同じ位置に表れ、弱拍の位置を強拍からの相対距離として測りながら移動することでスイング・シャッフルのニュアンスを表現しようとする時、これを強拍基軸と呼びます。
強拍基軸は、リズム認知バイアスのひとつです。 強拍が先に来ることに何ら特別な事はないだろう、あるいは「これが普通だ」と感じられる方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、このリズム認知バイアスを世界的に見ると、実はこのリズム認知バイアスを持っている人はとても少なく非常に珍しいリズム認知バイアスだということがわかります。海外の演奏者は、しばしば全く真逆のリズム認知バイアスを持っています。
スイングやシャッフルを演奏しようとした時に、弱拍の位置が常に固定となり、毎回同じ位置に表れ、強拍の位置を弱拍からの相対距離として測りながら移動することでスイング・シャッフルのニュアンスを表現しようとする時、これを弱拍基軸と呼びます。
弱拍基軸もリズム認知バイアスのひとつです。
強拍基軸リズム認知バイアスを持っている人が、弱拍先行リズム認知バイアスをに基づいた音符のタイミングニュアンスを見ると、不規則に動き回る様に観察され、その規則性の理解に失敗するという現象が起こります。この現象を 弱拍天動説 と呼びます。
弱拍基軸リズム認知バイアスを持っている人が、弱拍先行リズム認知バイアスをに基づいた音符のタイミングニュアンスを見ると、弱拍位置が固定で自分が認識している強拍の位置自体が動き回っているのだと理解出来ます。 これはあたかも地動説を理解した人が不規則に動き回る様に見える惑星の動きを「実は動いているのは地球なのだ」と考えることで全てが規則的に動いていることを理解するプロセスと似ています。
弱拍基軸のリズム認知で弱拍強拍地動説と呼びます。
強拍基軸 と 弱拍基軸 に関しては、弱拍天動説と強拍地動説 で詳細を見ていきます。
音韻学上の対応
ここでは、音楽の弱拍に対する感覚は、言語の子音の位置に対する感覚と近いと考えます。
モーラ等時性 と 音節核等時性
シラブル拍リズム及びストレス拍リズムでは、子音と母音を明確に区別し、必ず子音が母音に先行すると考えます。母音だけが等間隔に並んでおり、子音がどんなに長くても、子音が複数連なっていても、それは等間隔に並んだ母音の間に敷き詰められていく…そう考える傾向があります。つまり母音だけが等時性を持つと考えます。
一方モーラ拍リズムは、子音と母音を区別しません。子音は必ずしも母音に先行せず、子音がある時は子音が等時性を持ち、子音がない場合だけ母音が等時性を持ちます。
ここでは頭子音に続く音節核に Pセンター があると考えることを 音節核等時性 呼びます。この考え方を音楽へ当てはめると、先行する弱拍を基準として強拍の位置を調整する弱拍基軸になると仮定します。
一方でモーラ拍等時性では、モーラ音節が時間を数える基本単位となります。 それぞれのモーラの開始位置が時間認識の基準となります。モーラ内に最初に表れる音素は子音の時もあり、母音の時もあります。 シラブルの様に子音が音節の前方に飛び出すことはありません。 ここでは、この音声解釈方法を、音楽上の強拍の位置を固定して弱拍を調整する強拍基軸 と関連があると考えます。
グルーヴ原則8 - リズム侵襲性
ジャズやブルース、東南アジア各地の民族音楽、ヨーロッパの民族音楽などでは、そこに8分音符がなく4分音符しかないときであっても、そこに仮想の8分音符弱拍があるかのように音符を認識しており、その仮想の弱拍がある地点ではっきり音符を止めたり、あるいはゴースト・ノート(呑音=のむおと) を演奏したりします。
このことを『そこに弱拍がないのに、8分音符が侵襲している』という様に表現します。そのとき、しばしば『音符が侵襲的(intrusive)だ』と表現したりします。
この侵襲的な弱拍は、リズム指数が増えるほど侵襲的弱拍が増え、ゼロに近付くほど少なくなり、ゼロ以下ではなくなるとここでは考えます。
音韻学上の対応
この侵襲的な8分音符弱拍は、音韻学上の侵襲的末子音に対応するとここでは考えます。
音韻学 末子音忌避性 と 末子音侵襲性
末子音忌避性とは、音節末に子音を置かないように厳格に制限し、母音を挿入したり独立したモーラへの分割したりすることによって、末子音が生じることを避ける傾向です。
これに対して末子音侵襲性とは、音節核の後に末子音がない時でも、そこに末子音を挿入する性質を指します。この侵襲的に生じた末子音は、しばしば頭子音最大化原則によって、音節の境界を越えて次の音節の頭子音として発音されます。
グルーヴ原則9 - リズムストレス度
固定長 とはアクセントを高低・強度・音色ななど長短とは別な要素で表現することを指します。
可変長 とは長短によって成立するストレス型アクセントを指します。
無拍とは定期的に訪れる拍という概念自体がないことを表す。
ポストセントリック・プレセントリック共に、リズム指数極性が0に近付くほど固定長に近づき、0から遠ざかるほど可変長になります。
音韻学上の対応
ポストセントリック・プレセントリック共に、リズム指数極性が0に近付くほどストレス拍の長短変化が現象し、0から遠ざかるほど増加します。
縦乗り横乗りの条件
何故日本人は縦乗りなのか、その理由に関しましては何故日本人は縦乗りなのかで詳細を見ていきます。
ではどのようにしたら縦乗りを克服することが出来るのでしょうか。それがこの文章の目的でもあります。縦乗りを克服する長い道のり=リズム道 について今後長い時間を掛けて見つけ出して行きます。
目次
- オフビートカウント理論
- はじめに
グルーヴ九大原則 とは- 何故日本人は縦乗りなのか
強拍が先か弱拍が先か - 音韻学的音楽分析
- 日本人への手紙
分裂拍 と孤立拍 韻律 とは多層弱拍基軸律動 - 多次元ディヴィジョン空間
- 発音よりもリズムの正確さ
- 世界は3⁻ⁿ拍子で出来ている
- 3⁻ⁿグルーヴと2⁻ⁿグルーヴ
- 分散グルーヴ理論
- 弱拍天動説と強拍地動説
- オフビートカウント入門
- リズム認識型とリズム感
- オフビートカウントで英語リスニングを極める
- 日本人の為のエチュード
- 英語の正しい発音法
- オフビートカウントの正しい発音
- 多層弱拍先行ポリリズム
- リズムニュアンスを形づくる要素
- 縦乗りが起こるメカニズム
- 縦乗りと動きの認識
- 縦乗りがもたらす心理的問題
- リズム道入門の御案内
- リズム道とは